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羽衣ステーション

感銘を受けた大和コロニー講演会

感銘を受けた大和コロニー講演会

2015年10月23日(金)

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「こんな日本人がいたことを知っていますか」。大きな懸垂幕が掲げられた会場には、およそ50名あまりの皆さんが参集され、講師・川井龍介先生のお話に耳を傾けました。明治の昔、日本を飛び出し、アメリカのフロリダに開拓民として活躍した丹後出身者の物語です。かっての「日本村、日本コロニー」は、今や大規模な日本公園としてアメリカの人たちに親しまれているのですが、当時の入植した人たちの波瀾万丈の人生、恋いあり苦労ありの生き様、その足跡を、日本とアメリカを往復することで丹念に取材された川井先生のお話しは、ズシンと胸に迫るものがありました。このノンフィクションは、「大和コロニー(フロリダに「日本」を残した男たち)」という書籍(旬報社刊)に結実しています。感動間違いなし。是非、お読みください。

驚いたことは、この移民のなかに京丹後市出身の若者が多く含まれていたこと。いわば宮津市以北の丹後半島の人たちが、遠く離れたアメリカのフロリダで、大和コロニーという日本人村の中心を担っていたということです。私たちの地域に生まれ育った人たちが、ひとりの冒険者として夢や希望をもってアメリカに旅立って行った。そんな人々の熱意が、今の私たちの活動や地域づくりに勇気を与えてくれる、そんな気がします。

もうひとつ。大和コロニーへの移民計画を支えた経済的な基盤は、丹後ちりめんで得られた潤沢な資金であったことが、川井先生の調査研究で判明したのですが、昭和の時代に入っても海外でちりめんを元に活躍された方がいました。峰山町の某区出身の藤原さんと言われる方。海外で成功を収められた藤原さんは、昭和20年代の後半に金200万円という大金を寄贈されました。このお金は藤原さんの出身地に公民館を建てるという形で残りました。地域の経済や人々の暮らしを支えていた丹後ちりめんが、海外でも大きな富の源になっていたことを示すエピソードでもあります。「是非、その公民館を見せてください」。川井先生のご要望に応え、今も現役で使われている公民館を訪ねました。一番冒頭のPHOTOです。

この地域に、明治の昔、海外で活躍された人たちが居たこと、そしてその人たちが自分たち故郷をどんな思いでみつめていたのか。志し半ばで倒れた人、生涯にわたりフロリダと共にあった人など、様々な移民者の思いや暮らしぶりを描き出し、私たちの目の前に明らかにしていただいた川井先生には、感謝の気持ちでいっぱいです。

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